抄録
谷埋め盛土造成地などの宅地造成地では,2011年東北地方太平洋沖地震,2016年熊本地震,2018年北海道胆振東部地震などで深刻な被害が報告されている。本研究では,2011年東北地方太平洋沖地震により引き起こされた宅地成地について,宮城県仙台市を対象とし,合成開口レーダ干渉法(InSAR)を用いて変動を検出し,変動発生背景について考察した。過去に報告されていた地表変状確認箇所では,干渉画像上において局所的な位相変化領域や非干渉領域として検出され,さらに被害報告がない複数の宅地造成地域においても変動が検出された。変動の特徴から,仙台市の宅地造成地では圧縮沈下が宅地盛土の変動メカニズムの1つであったことが推察される。