自然災害科学
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阪神・淡路大震災により普及が進 んだ橋梁免震と不都合な真実を克服するための取り組み
高橋 良和
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2024 年 43 巻 3 号 p. 283-294

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抄録
阪神・淡路大震災以降,橋梁用免震支承が広く使用されるようになり,従来の鋼製支承に比べて高い耐震性能を有することは間違いない。一方で,近年の地震で免震支承の一部が破断・破損していることは,不都合な真実としてしっかり認識しなければならない。阪神・淡路大震災後,実大構造物の地震挙動をよく理解していなかったことを反省し,世界最大の三次元振動台E-ディフェンスが設置された。近年,実大免震支承に対する理解不足を痛感し,高精度な荷重計測機構を備えた大型動的載荷装置としてE-アイソレーションを開発した。E-アイソレーションの稼働により,実大免震支承の高品質データが蓄積し,信頼性の回復が始まっている。
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© 2024 日本自然災害学会
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