自然災害科学
Online ISSN : 2434-1037
Print ISSN : 0286-6021
令和6年能登半島地震特集 報告
令和6年能登半島地震による輪島市市ノ瀬町猿谷の地すべり地形の詳細区分
奥野 充鳥井 真之原 勇貴松田 博貴黒木 瞭西川 空平田 竣也安永 裕紀遠田 晋次
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2024 年 43 巻 3 号 p. 599-604

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抄録
2024年1月1日16時10分頃,石川県能登半島の深さ約15 km でMj7.6(Mw7.5)の地震が発生した。能登半島北岸の震源域を中心に多数の斜面崩壊が発生した。輪島市市ノ瀬町の河原田川支流の猿谷では,地すべりによって堰き止め湖が形成された。この地すべり地形は,全長約1.1 km に及ぶが,詳細な地形観察により少なくとも7 つのエリアに区分できる。地形的特徴から,複数の地すべりがつながってひとつの地すべり地形をなしていることがわかる。地すべり堆積物は,縄又層(Nwの凝灰質シルト,砂岩,礫岩からなり,高洲山層(Ko)からのものはごく少量である。滑落崖には,今回の地震より前に生じた崩壊堆積物も観察され,これらの堆積物を調査することで,過去の地すべり史を解明できるだろう。
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© 2024 日本自然災害学会
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