抄録
繰り返す鎖骨下動脈閉塞症に対し,Directional Coronary Atherectomy(DCA)debulking systemを用いた治療を行い良好な結果を得たので報告する.症例:63歳女性.労作時に上肢の脱力を自覚,右鎖骨下動脈の高度狭窄に対してステントを留置した.4カ月後に症状の再燃と閉塞を来たしCutting balloonを用いたPTAを行ったが,その7カ月後に再々閉塞を来たしたため,DCAで再開通術を行い良好な結果を得た.採取した標本の病理診断は,動脈硬化性変化よりも非特異的炎症性変化が目立っていた.本法は組織診断を得られるという利点もあり,難治性閉塞性疾患の治療手段として有用である.