【目的】脳血管内治療は一般的に5Fr以上のシースとガイディングカテーテルの組み合わせで行われており,術後の穿刺部の出血性合併症がしばしば問題となる.今回,脳血管内治療における4.3Frの細径ガイディングシースシステムの安全性と有用性について検討する.【方法】2004年1月から2007年6月までの期間に本システムを使用して脳血管内治療を試みた74例[男性33例,女性41例,平均年齢68.4歳(33~88歳)]を対象に,手技の成功率,システム抜去後の用手圧迫時間,安静時間および合併症の項目に関し検討を行った.疾患の内訳は脳動脈瘤48例,脳動脈急性閉塞症16例,症候性脳血管攣縮8例,その他2例であった.【結果】手技の成功率は98.6%であった.用手的圧迫時間は平均14.1分(7~35分),安静時間は平均11時間(3~14時間)であった.3例(4.1%)で穿刺部の軽度の皮下血腫を認めたが,その他には合併症を認めなかった.【結語】4.3Frガイディングシースシステムは,従来の5~6Frガイディングカテーテル/シースシステムと操作性において遜色なく,かつ穿刺部合併症の発生を低減することが可能である.