抄録
【目的】多孔性ゼラチン粒ジェルパートを用いて術前塞栓を施行した髄膜腫の1例を報告する.【症例】症例は 49歳女性,全身痙攣にて発症した.頭部CTにて傍矢状洞部髄膜腫が疑われ,脳血管造影では左中硬膜動脈より血流を受ける腫瘍濃染像を認めた.髄膜腫の診断のもと,ジェルパートを用いて術前塞栓を行った.マイクロカテーテルを左中硬膜動脈に挿入し,ジェルパートを造影剤と混和して用手注入した.腫瘍から栄養動脈にかけて十分に塞栓され,塞栓術の合併症はなかった.塞栓術後の造影MRIでは腫瘍の中央は増強されず,虚血性変化を来したものと考えられた.塞栓術 2日後に開頭術を施行した.術中の出血は比較的少量で,腫瘍を全摘出した.病理診断はtransitional meningiomaであった.ジェルパートにより腫瘍周辺の血管が塞栓されており,ジェルパートに対する組織反応は軽度であった.【結論】ジェルパートの使用法は簡便であり,髄膜腫の術前塞栓に有用であった.