抄録
【目的】超急性期脳梗塞におけるrtPA静注療法(IV-tPA)の治療成績および脳血管内治療併用(Combined therapy;ComT)の有用性と安全性を検証した.【方法】脳梗塞連続481例中IVtPAを施行した33例を対象とし,適応を満たした9例にComTを行った.再開通率(RR),3ヵ月後のmodified Rankin Scale(mRS),および症候性頭蓋内出血(sICH)の頻度を検討した.【結果】RRはIVtPA終了直後で39%(11/28例),ComTは44%(4/9例)であった.3ヵ月後のmRS 0-3は17例(52%)に認め,sICHは1例(3%)存在した.内頚動脈(ICA),中大脳動脈(MCA)近位部,遠位部,脳底動脈におけるRR(IVtPA直後/ComT)は,それぞれ0%/50%,43%/50%,78%/-,50%/0%であった.ICA,MCA近位部では転帰不良例が多く,良好例は再開通群にのみ存在した.【結論】ICA閉塞におけるIVtPAの有用性は低かった.一方,ComTは厳格な適応のもとであれば安全に施行され,ICA閉塞のRRと転帰を改善させる可能性がある.