抄録
【目的】遺残三叉神経動脈(persistent trigeminal artery;PTA)に合併した未破裂脳動脈瘤に対し,tandem balloonによるballoon test occlusion(BTO)で親動脈閉塞に対する耐性を評価した上で,血管内治療を施行した一例を経験したのでその有用性を報告する.【症例】37歳,女性.複視,左眼瞼下垂を主訴に当院受診.血管造影上左PTAと内頚動脈の分岐部に大径の未破裂脳動脈瘤を認めた.脳動脈瘤のtrappingに伴う耐性を評価するには,PTAを介する逆行性血流も遮断する必要性があり,動脈瘤の遠位と近位にそれぞれballoonをtandemに用いてBTOを施行した.治療は浅側頭動脈中大脳動脈吻合術を行った上で,動脈瘤および母血管閉塞術を合併症なく施行した.【結論】本症例はPTAの遺残に伴い複雑な血行動態を呈していたが,tandem BTOで側副血行を評価することが可能であり,本法の有用性が示唆された.