Journal of Neuroendovascular Therapy
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原著
MERCIリトリーバーによる血栓回収術後のくも膜下出血についての検討
早川 幹人神谷 雄己鶴田 和太郎原 貴行上坂 義和松丸 祐司
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 6 巻 2 号 p. 105-113

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抄録

【目的】MERCIリトリーバー(MERCI)を用いた血栓回収術後にくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage;SAH)を生じた症例を経験したため,MERCIを用いた血管内治療におけるSAHに関連する要因を明らかにする.【方法】2009年4月より2012年2月の間に,発症8時間以内に頭蓋内血管にデバイスを展開し血管内治療を行った急性期頭蓋内主幹動脈閉塞例を対象とし,MERCI使用とSAHを含む頭蓋内出血(intracranial hemorrhage;ICH)の関連,およびMERCI使用例ではSAHと関連する要因について,後方視的に検討した.【結果】対象は23例(男性19例,平均年齢67.3歳)で,MERCIは12例(52.2%)に使用された.MERCI使用群(12例)と非使用群(11例)の比較では,両群とも症候性ICHは認めず,SAHに限るとMERCI使用群5例(41.7%),非使用群1例(9.1%)とMERCI使用群で高率であった.MERCI使用群ではSAH発症例(5例)のMERCIの総病変通過回数は平均3.6回とSAH非発症例(7例)の平均1.6回に比して有意(p=0.038)に多かった.【結論】MERCIにおけるSAH発症は総病変通過回数との関連が示唆された.本検討では症候性ICHは認めず,MERCIによる血管内治療は比較的安全であったが,総病変通過回数の上限は本デバイスの既定の6回ではなく,2ないし3回に留めることを考慮すべきであろう.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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