抄録
【目的】経橈骨動脈アプローチによる頚動脈ステント留置術(Transradial carotid artery stenting;TR-CAS)について報告する.【方法】2010年8月~2012年1月までにTR-CASを施行した19例20病変を対象とした.術前にアクセスルートの評価後,distal protection下にTR-CASを施行後,止血は橈骨動脈用の圧迫止血デバイスを使用した.【結果】全例で問題なくステント留置が可能であり,穿刺部位の問題も認められなかった.橈骨動脈は血管攣縮が起きやすく,細い分岐へのガイドワイヤー迷入,動脈の破格に注意が必要であった.【結論】TR-CASは血管内治療医にとって難しい手技を必要とせず,患者の負担が少なく有用な方法と思われる.