抄録
【目的】海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対するコイルを使用した経動脈的塞栓術後に発症した,後部虚血性視神経症の一例を経験したので報告する.【症例】74歳,女性.左眼窩部痛と複視の精査で左海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻と診断され,経動脈的塞栓術を施行した.術後,左眼窩部痛の軽減が得られたが,左眼上方の視野欠損が確認された.術後第13病日に左眼の視力消失を来し,失明と診断された.眼圧亢進なく,眼底所見は正常であった.眼窩MRI拡散強調画像にて,左視神経に限局性の高輝度病変が確認され,虚血性視神経症との診断に至った.【結論】コイルのみで行った経動脈的塞栓術によって,重篤な脳神経障害を来した一例を経験した.