2014 年 8 巻 2 号 p. 101-106
【目的】血栓化巨大内頚動脈瘤のendovascular trapping を行う際に,遠位側の内頚動脈を安全に閉塞するため工夫した症例を報告する.【症例】75 歳女性.Mass effect で発症した左海綿静脈洞部血栓化巨大内頚動脈瘤に対して虚血耐性を確認した後,局所麻酔下にendovascular trapping を施行した.動脈瘤遠位側の左内頚動脈内には,あらかじめ椎骨動脈より左後交通動脈を経由してカテーテルを挿入し,動脈瘤内にコイルが入らないように遠位側を閉塞した.【結論】血栓化巨大内頚動脈瘤のendovascular trapping に際して後交通動脈が利用できる可能性がある.