2014 年 8 巻 3 号 p. 179-184
【目的】鎖骨下動脈慢性完全閉塞に対してintraluminal に閉塞部を通過させる方法として,我々が行ったバルーン付きガイディングカテーテルを用いたballoon-assisted penetration technique を提示する.【症例】74 歳,男性.椎骨脳底動脈循環不全を認め,CTA 及びDSA で左鎖骨下動脈起始部の慢性完全閉塞及び盗血現象を認めた.バルーン付ガイディングカテーテルを閉塞部に近接させた状態で,バルーン拡張により①マイクロカテーテル+マイクロガイドワイヤーの支持性を向上させ,②閉塞部の中央に位置させることによりマイクロガイドワイヤーの周辺部への動きを制限し,intraluminal に再開通させることができ,ステントを留置した.【結論】Balloon-assisted penetration techniqueはintraluminal に閉塞部を通過させる方法として有用である.