2014 年 8 巻 4 号 p. 231-237
【目的】我々は頚部内頚動脈高度狭窄に起因する頭蓋内内頚動脈閉塞(tandem occlusion)を来した急性期脳梗塞症例を経験したため報告する.【症例】59 歳女性.右片麻痺と失語を主訴に発症から2 時間で救急搬送された.頭部MRIでclinical-diffusion-weighted image mismatch を認める左内頚動脈閉塞を認め,血管内治療を行った.頚部左内頚動脈高度狭窄の合併を認め,頚動脈ステント留置後に頭蓋内再開通療法を計画した.ステント留置後にpenumbra systemを使用し,発症より7 時間40 分で有効再開通が得られ,症状は改善した.【結論】頚部内頚動脈高度狭窄と頭蓋内内頚動脈閉塞症に対してcarotid artery stenting(CAS)とthrombectomy を行い,良好な治療経過を得た.頚動脈狭窄に起因した頭蓋内主要血管閉塞症に対してemergent CAS とthrombectomy は有用である.