抄録
要旨: 【目的】頭蓋内ステントは広頚の動脈瘤に対する塞栓術において有用であるが,滑落すれば危機的な状況となる可能性がある.われわれは脳動脈瘤塞栓術中に留置後のNeuroform の滑落を来し,回収し得た左内頚動脈瘤の1 例を経験したので報告する. 症例は79 歳男性. 未破裂内頚- 後交通動脈分岐部動脈瘤に対してstent-assisted coil embolization を施行した.術中コイルとステントが絡まり近位内頚動脈内に滑落したがGooseneck snear によりステントは回収可能となった.【結論】コイルは留置後のステントに絡む可能性がある.その回収には十分注意を払い,二次的な合併症を生じさせないことが重要である.