2015 年 9 巻 5 号 p. 260-265
要旨 【目的】総頚動脈に狭窄のある病変でMo.Ma Ultra(MOMA)使用下に頚動脈ステント留置術(CAS)を行い,Open-cellステント(PROTÉGÉ)の内反変形をきたした1 例を経験したので報告する.【症例】66 歳男性.一過性黒内障の精査で右内頚動脈高度狭窄を指摘され,CAS 目的で入院.MOMA を用いたプロテクション下にPROTÉGÉ を留置して後拡張を行ったが,MOMA 抜去後のCone-Beam CT でPROTÉGÉ の内反変形を認めた.追加治療は行わず虚血性合併症なく経過した.簡易狭窄モデルを用いた再現実験で,狭窄部に比較的太いデバイスが存在する下でステントを展開すると,open-cell ステントは変形しうることが分かった.【結論】Open-cell ステントは,狭窄部で内に凸になった状態で後拡張を行うと,内反変形をきたすことがある.