保健医療科学
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特集
人材育成分野から:超高齢社会における公衆衛生看護の人材育成の推進
松本 珠実
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 65 巻 1 号 p. 24-35

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抄録

2025年には,個人レベルや地域レベルにおける健康格差がさらに大きな健康問題になると予想され,この健康課題に対応するために今後 5 年間で推進する公衆衛生看護の人材育成の方向性について,現状と課題を踏まえて論述した.2025年に果たすべき公衆衛生看護の役割は,( 1 )個人のヘルスリテラシーを高めること,( 2 )ヘルスプロモーションの概念に基づいて地域の自助・共助を推進するために「支える人」を創ること,( 3 )地域におけるケアシステムの構築や施策化などシステムとして支える仕組みを創ることに集約できる.今後 5 年間で推進する公衆衛生看護の人材育成の方向性として,エビデンスベース・システム思考・内省・コミュニティエンパワメント及び他職種協働によって展開される公衆衛生看護の実践能力の形成及びリーダー育成を提案した.人材育成の推進方法としては,実践知としての能力獲得,現任教育体制の構築,大学との連携,市町村の期待に応える保健所保健師の育成があり,必要な能力を獲得するための人材育成方法論の確立が不可欠である.

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© 2016 国立保健医療科学院
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