WHO国際疾病分類第11版(ICD-11)は情報学的に新しい考え方が導入されていることが機能的な特徴である.オンラインでの提供を基本としているだけでなく,コンテンツモデルなどの採用により,医学知識の新しい表現が可能となっている.また,診断結果を単にコード化することではなく,診断支援をおこなうことにより,診断,ひいては医療の世界的標準化を目指している.
本稿ではICD-11の情報学的な特徴に関して解説するとともに,ICD-11を扱うために開発されている様々なツールを紹介し, ICD-11の今後の新しい利用形態について展望する.