ICD-11(国際疾病分類第11版)の適用性,信頼性,有用性などを検討するICD-11フィールドトライアルはICD-11改定プロセスの最終段階に位置付けられ,国際的に共通のプロトコールで行われることとなった.WHOは2016年のパイロットテストに加え,2017年にフィールドトライアルを実施し,我が国を含め世界各国・地域が参加した.分類粒度が細かくなったICD-11ではICD-10よりも精緻な疾患概念の記述が可能になった一方で,「どこまで細かくコードを付与するべきか」といった,診療体制に応じた適切なコーディング粒度の検討が必要な点が課題として挙げられた.また,ICD-11で新たに設けられた,部位,重症度,時間軸などを表現するためのエクステンションコードを用いたポストコーディネーションの周知および教育の重要性も指摘されている.2019年にICD-11が公開されたのち,フィールドトライアルで得られた知見・課題をもとに,各国でのスムーズな導入・運用に向け,より具体的な課題や指針を明確にするための議論が活発になるであろう.我が国独自の医療提供体制や公的統計におけるICD-11の円滑な導入・運用に向け,ICD-11フィールドトライアルの追加実施の検討が望まれる.