2022 年 71 巻 2 号 p. 147-155
近年,GMP管理の重大な不備や組織的な不正による製品回収が後を絶たたない.品質問題の再発を防止し,医薬品業界全体に対する国民の信頼を取り戻すことは,製造販売業者,製造業者,行政当局が最優先で果たすべき責務であり,継続的な対応が必要不可欠である.
一方,改正医薬品医療機器等法が2021年 8 月 1 日付けで施行され,法令遵守体制の整備等が製薬企業の義務として規定された.
また,同日付けで施行された改正GMP省令においては,製造所における医薬品品質システムの導入等により,更なる国際整合が図られるとともに,昨今の品質問題の再発防止の要素が随所に盛り込まれた.
本稿では,品質問題の再発の防止を見据え,改正GMP省令で新たに追加された項目及びその背景について,関連通知にも触れながら紹介する.