保健医療科学
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医療機器規制の概要と最近の取組み
村上 まどか
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2022 年 71 巻 2 号 p. 156-162

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抄録

平成25年に薬事法(昭和35年法律第145号)が改正され,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律と名称を変え,さらに令和元年にも改正がなされた.これらの改正では,医療の目的を持つ単体プログラムをプログラム医療機器として位置付け規制の対象とし,また,革新的な医療機器へのアクセス改善を目的とした承認プロセスの迅速化や,プロダクトライフサイクルの早いプログラム医療機器を含む医療機器の変更の手続きを合理化するための制度が法制化された.

本稿では,本邦における医療機器規制の概要を説明するとともに,令和元年の法改正による法規制のうち,患者アクセスの迅速化に資するものとして「先駆的医療機器指定制度」,「特定用途医療機器指定制度」,「条件付き承認制度」,「医療機器の特性に応じた変更計画の事前確認制度」(通称:IDATEN(Improvement Design within Approval for Timely Evaluation and Notice))について解説する.また,プログラム医療機器に関して,「経済財政運営と改革の基本方針2021」(令和 3 年 6 月18日閣議決定)等において承認審査の迅速化を図ることとされたことを受け,厚生労働省が令和 2 年11月に公表した「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略」(通称:DASH for SaMD,DX(Digital Transformation)Action Strategies in Healthcare for SaMD(Software as a Medical Device))に基づく取組みについて説明する.

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© 2022 国立保健医療科学院
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