保健医療科学
Online ISSN : 2432-0722
Print ISSN : 1347-6459
ISSN-L : 1347-6459
論文
日本における新型コロナウイルスオミクロン株を主とする流行第6波の致命率
デルタ株を主とする流行第5波との比較
清水 基之 田中 英夫高橋 佑紀古賀 義孝瀧口 俊一大木元 繁稲葉 静代松岡 裕之宮島 有果高木 剛入江 ふじこ伴場 啓人吉見 富洋鈴木 智之荒木 勇雄白井 千香松本 小百合柴田 敏之永井 仁美藤田 利枝緒方 剛
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 72 巻 3 号 p. 271-277

詳細
抄録

目的:日本の新型コロナウイルス第6波オミクロン株陽性者の致命率を算出し,これを第5波デルタ株陽性者と比較する.

方法:2022年1月に7県3中核市3保健所で新型コロナウイルス感染症と診断され届出られた40歳以上の21,821人を,当時の国内での変異型流行状況からオミクロン株陽性者とみなし,対象者とした.死亡事実の把握は,感染症法に基づく死亡届によるpassive follow up法を用いた.2021年8月~9月にCOVID-19と診断された16,320人を当時の国内での変異株流行状況からデルタ株陽性者とみなし,同じ方法で算出した致命率と比較した.

結果:オミクロン株陽性者の30日致命率は,40歳代0.026%(95%信頼区間:0.00%~0.061%),50歳代0.021%(0.00%~0.061%),60歳代0.14%(0.00%~0.27%),70歳代0.74%(0.37%~1.12%),80歳代2.77%(1.84%~3.70%),90歳代以上5.18%(3.38%~6.99%)であった.デルタ株陽性者の致命率との年齢階級別比は,0.21,0.079,0.18,0.36,0.49,0.59となり,40歳代から80歳代のオミクロン株陽性者の30日致命率は,デルタ株陽性者のそれに比べて有意に低かった.また,2020年の40歳以上の総人口を基準人口とした両株の陽性者における年齢調整致命率比は0.42(95%信頼区間:0.40-0.45)と,オミクロン株陽性者の致命率が有意に低値を示した.

結論:日本の50歳以上90歳未満のCOVID-19第6波オミクロン株陽性者の致命率は,第5波デルタ株陽性者に比べて有意に低値であった.

著者関連情報
© 2023 国立保健医療科学院
前の記事 次の記事
feedback
Top