保健医療科学
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論文
児童相談所業務における専門職の役割認識とアセスメントの視点の比較
職種間の協働による児童相談所の機能強化に向けた一考察
川崎 千恵 大夛賀 政昭
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2023 年 72 巻 3 号 p. 258-270

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抄録

目的:令和元年改正児童福祉法により,児童相談所の体制を強化するため,児童相談所に医師及び保健師が配置されることとなった(令和4年4月1日施行).これまで,児童相談所に配置される専門職の専門性向上が必要という報告は散見されるが,児童相談所における各専門職の業務・役割の現状に関する認識やアセスメントの視点の相違などを示した研究は見られない.そこで,各専門職(児童福祉司・児童心理司・保健師)の業務・役割の現状と,今後担う必要がある業務・役割についての認識,児童虐待対応におけるアセスメントの視点を明らかにすることを目的とした.

方法:調査対象は,全国の児童相談所214 か所の児童福祉司,児童心理司,保健師とし,無記名自記式質問紙調査を行った.調査内容は,回答者の属性,業務・役割の実施状況,今後自分の職種が特に担う必要があると考える業務・役割,アセスメントの視点とした.分析対象項目について記述統計を行い,回答傾向の職種間の差異を確認するために,選択肢が3 つ以上ある項目はKruskal-Wallis検定を実施し,有意差が示された項目にDunn-Bonferroni検定にて多重比較を行った.選択肢が2つの項目は,χ2 検定を実施し,有意差が示された項目に調整済み標準化残差を算出し多重比較を行った.

結果:回答を得た395 名のうち分析項目に欠損がなかった381 名を分析対象とした(有効回答率96.5%).回答者における職種の割合は,児童福祉司44.1%,児童心理司44.4%,保健師11.5%であった.業務・役割の実施状況は児童福祉司が「初動調査における観察・確認・リスクアセスメント」他,20

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© 2023 国立保健医療科学院
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