目的:脳血管疾患死亡率の地域格差について,救護・急性期医療体制の要因を検討した.
方法:47 都道府県の脳血管疾患死亡率と救護・急性期医療体制に関する指標についてノンパラメトリックの相関分析および偏相関分析を行った.分析は男女別,病型別にも行った.
結果:人口密度,年平均気温,高齢化率のどれを共変量とした偏相関分析でも,男性の脳血管疾患,脳内出血,脳梗塞の死亡率は救急自動車による現場到着平均所要時間との間に有意な正の相関関係があり,くも膜下出血死亡率はICU病床数との間に有意な負の相関関係があった.女性の脳血管疾患,脳梗塞の死亡率は救急自動車による現場到着平均所要時間との間に有意な正の相関関係があり,くも膜下出血死亡率はICU設置施設数と病床数との間に有意な負の相関関係があった.また女性の脳内出血死亡率は,救急自動車による現場到着所要時間20 分以上の割合と現場到着平均所要時間との間に有意な正の相関関係があり,ICU病床数との間に有意な負の相関関係があった.
結論:都道府県の脳血管疾患死亡率に影響する救護・急性期医療体制に関する指標は,脳血管疾患の病型別に異なることが推測された.