2025 年 74 巻 2 号 p. 197-198
【背景】乳がんは女性のがん罹患数の第1位であり,若年層でも罹患することから,死亡の予防は重要な課題である.新潟県の乳がんの75歳未満年齢調整死亡率は全国平均と比して高い水準にあり,要因の一つとなりうる治療,特に治療の中心である手術療法に着目し,新潟県における乳がんの手術件数を全国平均と比較することを目的とした.【方法】内閣府「医療提供状況の地域差」に収載されている2019年の新潟県における乳がんの手術6つのSCR(Standardized Claim-data Ratio)データを参照し,全国平均と比較した.【結果】新潟県における乳がんの手術のSCRは,単純乳房切除術:141.8,乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない):112.4,乳房切除術・胸筋切除を併施しない:124.6はいずれも全国平均より高く,乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない):74.2,乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う):52.4,乳房切除術・胸筋切除を併施する:35.6は,いずれも全国平均より低かった.【結論】新潟県の乳がんの手術件数において,手数をかける必要があると考えられる手術は,全国に比して少ないことが伺われた.要因として,医療提供体制や当該手術を必要とする患者の状況が考えられ,精査が必要である.