保健医療科学
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論文
新型コロナウイルス感染症パンデミック下における国立保健医療科学院地域保健福祉専攻科修了者の地域保健活動に見られる先導性及び養成訓練への示唆
令和4年生活のしづらさなどに関する調査の二次データを用いた記述研究
丸谷 美紀大船 朋美野坂 明子長洲 奈月榎戸 翠佐藤 美樹小宮山 恵美麻生 保子
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2025 年 74 巻 5 号 p. 509-517

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抄録

本稿の目的は,国立保健医療科学院で実施する専門課程Ⅲ地域保健福祉専攻科を修了した保健師(以下,専攻科修了者)の,新型コロナウイルス感染症パンデミック下(以下,コロナ下)の地域保健活動報告から,活動方法,学び,提言を整理し,地域保健対策の推進に関する基本的な指針(以下,改正地域保健基本指針),地域における保健師の保健活動に関する指針(以下,活動指針),及び地域保健福祉専攻科養成訓練の内容と照らし合わせて考察し,今後の地域保健福祉専攻科の養成訓練への示唆を得ることである. 方法は,まず令和4年1月に日本公衆衛生看護学会ワークショップでコロナ下の地域保健活動を報告した5名の原稿から,「活動方法」「学び」「提言」に関する記述を各々抽出し,記述内容を集約して各々一文で書き表した.次に「活動方法」「学び」「提言」の一文を,各々意味内容の類似するものを分類整理してサブテーマとし,さらに類似するものを整理しテーマとした. その結果,「活動方法」のテーマは【パンデミックを契機とした地域保健活動の開拓】【平時からの備えの発動】【地域保健活動の原則に則った展開】【本庁機能の継続】が得られた.「学び」のテーマは【公衆衛生看護の原理原則の固守】【国立保健医療科学院での体系的な学びの実装】,「提言」のテーマは【統括保健師の機能発揮に必要な組織体制】【統括保健師育成に必要な条件】が得られた. 専攻科修了者は,活動指針を基に,改正地域保健指針に先んじて,コロナ対応を実施していた.また,活動指針を含む公衆衛生看護の原則を,コロナ対応,及びコロナ下での地域保健活動の継続に応用していた.今後,地域保健福祉専攻科では,種々の指針の先を行く力量,新たな健康課題に対して公衆衛生看護の原則を実践に応用していく力を強化するために,理論と省察を結び付ける方法,及び自らの実践を基に「公衆衛生看護とは何であるか」を熟考し言語化する内容を取り入れることも一考である.

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© 2025 国立保健医療科学院

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