脳神経外科と漢方
Online ISSN : 2758-1594
Print ISSN : 2189-5562
原著
慢性硬膜下血腫に対する柴苓湯の治療効果
長谷川 秀松元 淳大田 和貴藤本 健二今岡 幸弘三浦 正毅
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2015 年 1 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

慢性硬膜下血腫(以下CSH)の治療は外科的血腫除去が一般的であるが,近年漢方による治療効果が報告されている。今回我々はCSH患者における柴苓湯の有効性とその特徴について検討した。37人の手術未施行CSH患者に対し6 g/dayの柴苓湯を投与,その後症候性になった場合は血腫除去術を施行した。柴苓湯有効群では,37人中28人(75.7%)で血腫が消失した。手術群では柴苓湯有効群と比べ男性,非典型症状,手術非同意が有意に多かった。副作用は1例のみであった。柴苓湯はCSHの治療において有効な治療薬になり得ることが示唆された。

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© 2015 日本脳神経外科漢方医学会
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