脳神経外科と漢方
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症例報告
脳卒中後の持続性頭痛に対して釣藤散が有効であった3例
後藤 雄大岡本 貴成山本 紘之山中 巧南都 昌孝岩本 芳浩児玉 万実橋本 直哉
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キーワード: 釣藤散, 頭痛, 脳卒中
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2019 年 5 巻 1 号 p. 58-62

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抄録

脳卒中に伴う頭痛は長期間持続することもあり,治療に難渋することも多い。また,脳卒中後の頭痛は機能的予後やQOLに影響する。近年では慢性頭痛に対しての漢方薬の有効性が報告されている。非外傷性頭蓋内出血の既往による持続性頭痛と診断され,釣藤散の投与で症状の改善を認めた3症例を経験したので報告する。脳出血とくも膜下出血の既往による持続性頭痛の患者に対して釣藤散投与(7.5 g/日)を投与することで,3症例とも12週までに頭痛の改善を認め,3例中2例で頭痛は消失した。釣藤散は脳卒中による持続性頭痛の改善に有効であり,考慮すべき方剤の一つと考えられた。

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© 2019 日本脳神経外科漢方医学会
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