脳神経外科と漢方
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Print ISSN : 2189-5562
症例報告
ストレスに起因する多汗症に漢方薬が奏効した1例
玉野 雅裕高橋 元大城 信之岡村 麻子加藤 士郎中村 優子小倉 絹子
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キーワード: 多汗症, 精神性発汗, 四逆散
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2023 年 8 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

多汗症は体温調節の範囲を超えて,多量の発汗があり,日常生活に支障をきたす場合が多い。特にストレス下に手掌,足底,顔面に生じる原発性局所性多汗症は思春期前後から若年に多くみられ,学業,勤務の支障にとどまらず,抑うつ,引きこもりをきたす場合も見受けられる。今回,外出時,人混みにおいて頭部,顔面,手掌を中心に極度の発汗をきたすため,外出恐怖症に陥った青年に四逆散が奏効した症例を経験した。四逆散がストレスを和らげ,交感神経を安定化させ,発汗をコントロールすることができるようになったと思われる。肝鬱型多汗症における四逆散の有用性が示唆された。

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© 2023 日本脳神経外科漢方医学会
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