2005 年 12 巻 1 号 p. 107-123
本稿では, 日本語の連体修飾節と被修飾名詞の関係において言語学的知見から得られた要素を用いて, 連体修飾節内の用言と被修飾名詞間の格関係の有無を判別する, いわゆる内の関係であるか外の関係であるかの判別を行う手法を提案する.従来の手法では, 主に動詞と名詞の共起関係を用いて, 内の関係の可能性を調査するのみで, 外の関係であるかを積極的に求めることはできなかった.本稿では, 共起関係に加え, 外の関係をとる度合をいくつか定義し, それらの情報を用いて判別する手法を提案する.実際の連体修飾節を用いて判別実験を行った結果, 従来の格フレームを用いた手法よりも高い正解率を示すことがわかった.