自然言語処理
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用例ベース翻訳の確率的モデル化
荒牧 英治黒橋 禎夫柏岡 秀紀加藤 直人
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2006 年 13 巻 3 号 p. 3-19

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抄録
用例ベース翻訳は, これまで, 経験則にもとづく指標/基準により用例を選択してきた.しかし, 経験則に頼った場合, その修正を行うのが困難であり, また, アルゴリズムが不透明になる恐れがある.そこで, 本研究では用例ベース翻訳を定式化するための確率モデルを提案する.提案するモデルは, 翻訳確率の最も高い用例の組み合わせを探索することで, 翻訳文を生成する.さらに, 本モデルは用例と入力文のコンテキストの類似度を自然に翻訳確率に取り込む拡張も可能である.実験の結果, 本モデルを用いたシステムは, 従来の経験則によるシステムの精度を僅かに上回り, 用例ベース翻訳の透明性の高いモデル化を実現することに成功した.
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