抄録
非水系と乳化系における魚油の30℃自動酸化条件下に, 大豆起源のホスファチジルコリン (PC) とホスファチジルエタノールアミン (PE) を用いて, 含窒素リン脂質の酸化防止効果を研究した。また, ホスファチジルモノメチルエタノールアミン (PMME), ホスファチジルジメチルエタノールアミン (PDME), ボスファチジルセリン (PS), エチルアミン, n-ブチルアミン, スペルミン, セリンのような他のアミノ化合物の酸化防止能についても評価した。
試験した含窒素化合物はトコフェロール混合物と比較して, わずかしか酸化防止能を持っていなかった。しかしながら, トコフェロールに対してPEの顕著な酸化防止相乗作用が上述の両系における魚油の自動酸化において観察された。アミノ化合物の第一級アミノ水素はトコフェロールに対する優れた水素ラジカル供試体として働くと考えられた。