科学技術社会論研究
Online ISSN : 2433-7439
Print ISSN : 1347-5843
短報
信頼できるがん情報の提供と研究における患者・市民の参画の試み
国立がん研究センターがん対策情報センター「患者・市民パネル」のこれまでの活動と今後
八巻 知香子高山 智子
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2020 年 18 巻 p. 128-136

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抄録

 国立がん研究センターがん対策情報センターは「がん対策推進アクションプラン2005」を受けて設立された組織である.2008 年より「患者・市民パネル」を運営し,患者・市民の視点を取り入れた情報提供活動に努めてきた.2018 年度に初めて,日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)との共催により,臨床研究への患者・市民参画のあり方について検討する場を持った.情報発信機関への患者・市民参画については,患者・市民パネルの活動として一定の形を形成してきた.一方で,研究の立案から評価に至る全プロセスへの患者・市民の参画のあり方については検討の途上にあり,今後の医療や研究で求められる役割を考慮しながら,基本理念である「正しい情報に基づいて,国民のためのがん対策推進を支援する」ことを堅持しながら,がん対策情報センターとしての運営方針を確立していく必要があると考えられる.

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