科学技術社会論研究
Online ISSN : 2433-7439
Print ISSN : 1347-5843
短報
患者・市民参画を考える
国内調査からみた人の試料・情報を用いた観察研究の現状と展望
東島 仁藤澤 空見子武藤 香織
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2020 年 18 巻 p. 97-107

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抄録

 研究への患者・市民参画(Patient and Public Involvement;PPI)とは,研究開発を,患者・市民の意見や視点を吟味した上で進めることを目指す実践であり,研究者と患者や市民が協働して社会的,科学的,倫理的によりよい成果を生み出すための手段として国内外で期待を受けている.本稿では,国内の研究者と患者団体への調査結果を紹介するとともに,特に人の試料・情報を用いる観察研究におけるPPIの現状と今後のより良い展開に向けた課題について検討する.国内のPPIをめぐる状況は,関連する施策の登場や,PPIや類する活動を重視する国際動向を受けて大きく変わろうとしており,PPIの趣旨と現状の双方を踏まえた将来図の検討と具体的な支援が望まれるところである.

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