抄録
1) 膝蓋軟骨外側亜脱臼モデルを作成し, chon-dromalacia patellaeにおける膝蓋軟骨の変性機序を病理組織学的に検索した.
2) 膝蓋骨内側関節では術後4週で軟骨深層の変性とtidemarkの不整を認め変性は徐々に表層へと進行していった. 12週以後では修復像と思われる滑膜の増殖や軟骨細胞の集族化も認められた. 一方, 外側関節では明らかな変化は認められなかった.
3) 軟骨・骨の変性には接触圧の減少が大きく関与していると思われた.
4) Chondromalacia patellaeの組織像は深層軟骨を中心とする変性と同時に修復反応がみられるのが特徴である.