RoboCup@ホームは,生活支援ロボット(@ホームロボット)の性能を競う世界最大の競技会である.@ホームロボットには,画像・音声認識,自然言語理解,ヒューマンロボットインタラクション,意思決定,行動計画,制御をはじめとする多種多様な機能が求めらる.深層学習の発展と普及に伴い,画像・音声認識のロボット応用が実用レベルで進んでいる.一方で,全ての機能を有する@ホームロボットの頭脳を創るという点では未だに課題発掘の段階にあり,ロボティクスや人工知能分野のみならず,脳科学や神経科学からもヒントを得た探索的研究の必要性が示唆される.本稿では,RoboCup@ホームの競技と著者らが研究開発を進める@ホームロボットについて概説し,@ホームロボット向けの脳型人工知能の事例として,競技会向けの運用を考慮した深層学習に基づく物体把持システムと,神経科学からヒントを得た扁桃体型ニューラルネットワークの@ホームロボットへの応用を紹介する.