原子配置の不規則性は機能性結晶材料で発現する様々な機能の源泉である.これをシミュレーションによって解析するときに問題となるのが原子配置の場合の数の爆発である.ここでは,それに対応する方法として,第一原理計算を基盤とした原子配置のモンテカルロサンプリング手法について概観する.まず,種々の合金系で成功を収めているクラスター展開法について紹介する.その上で,クラスター展開法では難しい複雑な複合酸化物系の解析を可能にするための最近の我々の取組,すなわち,レプリカ交換モンテカルロ法の適用とニューラルネットワークモデルを使ったサンプリングの加速について紹介する.