日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
Print ISSN : 1340-766X
ISSN-L : 1340-766X
解説
情報幾何学による情報統合の定量化
大泉 匡史
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 32 巻 4 号 p. 204-215

詳細
抄録

本稿では,情報幾何学を使って,情報の統合を定量化するという研究に関して解説する.情報の統合といっても色々な定義があり得るが,元々は意識の統合情報理論と呼ばれる理論において提案された尺度を出発点としている.これを出発点としつつも,情報幾何学を用いて様々な情報量の尺度を統一的に導出する理論的枠組を導入し,新しい定式化を導く.導出の鍵となるのは,情報幾何学における射影定理である.本稿ではまず,情報幾何学に馴染みのない方に向けて射影定理の一般的な解説を行う.そして,射影定理を用いることで,統合情報量だけでなく,相互情報量,Transferエントロピー(Granger因果性)等の関連する尺度を全て,部分多様体への射影として統一的に導出できることを紹介する.

著者関連情報
© 2025 日本神経回路学会
前の記事 次の記事
feedback
Top