看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
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原著
圧力測定フィルムを用いた臨床看護師の清拭圧
−健常皮膚に対する綿タオルとディスポーザブルタオル清拭の比較−
石井 和美中田 弘子小林 宏光
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キーワード: 清拭, 清拭圧, 圧変動, 可視化
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2022 年 10 巻 p. 37-43

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抄録

 本研究の目的は,ディスポーザブルタオルを用いた清拭手技検討の基礎的知見として,綿タオルおよびディスポーザブルタオルによる清拭圧とその変動を明らかにすることである.12名の臨床看護師が同一健常皮膚の両前腕内側部への綿タオルまたはディスポーザブルタオルによる部分清拭を実施した.清拭部位には圧力測定フィルムを貼付し清拭圧を測定した.専用の分析ソフトを用いて解析し,加圧面積,平均圧力,最大圧力,荷重を算出した.また,測定範囲を6分割し,清拭ストロークにおける変動係数(圧変動)を算出した.これらの指標において2条件の比較では有意差はみられなかった.この結果から,臨床看護師による健常皮膚への清拭においては,2種類のタオルのどちらを利用してもほぼ同じ圧で清拭が行われていることが示された.

【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→患者へ安全で安楽な清拭を行うために,使用するタオル素材についても十分に検討する必要があると感じたため.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 看護師の手技や素材による効果の違いを明らかにすることにより,質の高い清拭を行うことが可能となり,より安全なケアを提供することができる.

3.今後どのような技術が必要になるのか?
→清拭時のタオル刺激による皮膚へのダメージを検討するための技術が必要と考える.

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