抄録
本研究の目的は,がん薬物療法における末梢静脈カテーテル留置(穿刺)の困難度を予測する,簡便かつ高精度な臨床予測モデル「DPIVA-CP スケール」を開発し,その内部妥当性を検証することである.単一施設で看護師が実施した穿刺1,392 件を対象に,穿刺の成否と予測因子の候補に関するデータを収集し,ロジスティック回帰分析を用いて予測モデルを構築した.モデルの適合性と精度はHosmer-Lemeshow 検定,およびROC 曲線等で評価し,ブートストラップ法により内部妥当性を検証した.患者属性や穿刺当日の状況に関する分析に基づき,最終的にDPIVA-CP スケールを構成する6項目をスケール構成因子として選定した.最終モデルは,AUC 0.8(
p<0.001)と良好な予測精度を示し,内部妥当性検証においても,各変数が統計学的有意性を維持しており,安定した推定結果が確認された.
【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→ がん薬物療法の穿刺困難を可視化し,適切な技術提供へ繋げたいと考えたことがきっかけである.
2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 穿刺成功率の向上による患者の苦痛軽減と,資材廃棄抑制による医療経済的効果に貢献する.
3.今後どのような技術が必要になるのか?
→ 主観的な焦りや体調を可視化し,適切な判断と安定した手技を維持するための自己管理技術.