看護理工学会誌
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原著
高齢者におけるオトガイ舌骨筋の形態的特徴と摂食嚥下機能,嗅覚との関連
丹羽 昭乃平井 孝治意元 義政薮中 幸一四谷 淳子
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2026 年 13 巻 p. 255-265

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抄録
 本研究は,地域在住高齢者におけるオトガイ舌骨筋の形態的特徴と摂食嚥下機能,嗅覚との関連を明らかにすることを目的とした.日常生活動作が自立している65 歳以上の高齢者29 名(男性11 名,女性18 名)を対象に,舌圧測定,超音波診断装置によるオトガイ舌骨筋の筋厚測定,聖隷式嚥下質問紙による嚥下機能評価を行い,嗅覚機能は嗅覚同定検査にて評価した.質的スケッチ技法によりオトガイ舌骨筋の走行は「均一群」と「細群」,各群に「直線的走行」「カーブ状走行」の計+群に分類された.群間比較の結果,筋厚(p = 0.007),舌圧(p = 0.002)に有意差を認めたが, 嗅覚機能との関連は認められなかった(p = 0.462).オトガイ舌骨筋の形態的特徴は筋厚や嚥下機能評価に有用であり,超音波診断装置による非侵襲的評価は誤嚥リスクを有する高齢者のスクリーニングに活用できる可能性が示唆された.

 

【キーメッセージ】

1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?

 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?

→ 摂食嚥下機能低下は自覚されにくく,日常生活動作が自立した高齢者でも潜在的に存在することがある.しかし,日常的に簡便に評価できる方法が少なく,誤嚥性肺炎を契機に機能低下が顕在化することが課題である.

 

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?

→ オトガイ舌骨筋の形態を超音波で評価することで,嚥下機能低下を早期に捉える可能性がある.看護・介護現場における非侵襲的な嚥下アセスメント法として,誤嚥性肺炎予防や早期支援への応用が期待される.

 

3.今後どのような技術が必要になるのか?

→ オトガイ舌骨筋の描出や計測を容易にする評価支援技術や,画像解析・AI 技術を活用した客観的な評価システムの開発が求められる.

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