抄録
微酸性次亜塩素酸水を用いた哺乳瓶消毒の活用可能性を検討するために,カンジダを対象に殺菌効果を検討した.哺乳後と同じ条件にするため哺乳瓶と乳首にミルクとカンジダ菌液を入れ内容液を破棄後同一条件で洗浄した.実験群は従来消毒群(煮沸,電子レンジ,薬液),微酸性次亜塩素酸水群(100mL,10mL,5mL,1mL),消毒なし群,ポジティブコントロール群(洗浄・消毒なし),ネガティブコントロール群とした.処理後の哺乳瓶と乳首に滅菌蒸留水を入れた検体液をカンジダGE培地と普通寒天培地に培養し,陽性シャーレ数とコロニー数を計測した.その結果,授乳後5分以内に洗浄を行う条件下で,哺乳瓶と乳首に微酸性次亜塩素酸水を1mL(1スプレー)以上,かつ60秒以上接触させることで,従来の消毒方法と同等の殺菌効果が得られた.以上から微酸性次亜塩素酸水は新たな哺乳瓶および乳首の消毒方法として活用可能性が示唆された.
【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→ 消毒にかかる養育者の負担軽減をきっかけに微酸性次亜塩素酸水を用いた新たな消毒方法を検討した.
2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ カンジダに対して微酸性次亜塩素酸水を用いた安全かつ簡便な消毒方法の確立により,鵞口瘡や皮膚炎の予防と衛生管理の向上に貢献できると考える.
3.今後どのような技術が必要になるのか?
→ 今後一般化するために,より多様な哺乳器具を対象とし,洗浄までの時間や菌種など異なる条件下での検証を重ねていく必要がある.