抄録
糖尿病足潰瘍の予防法に糖尿病用治療靴(以下,治療靴)の着用がある.医療者が足潰瘍のリスクが高い患者に治療靴の作製を提案しても作製にいたらないケースがあるが,そのプロセスは明らかではないため介入方法は不明である.そこで質的に治療靴の作製と着用継続に関するプロセスを検証した.2008年4月から2012年11月に大学病院を受診し治療靴の作製を提案された糖尿病患者22名に治療靴の提案から作製,着用継続,非作製までのプロセスの半構造化面接をした.コアカテゴリーは≪靴のデザインを重視し,治療靴に頼らない努力を継続すること≫であった.治療靴の作製にいたらなかった群は靴のデザインを重視しており,潰瘍に対し自分なりの解釈をし,非潰瘍性病変は潰瘍化しないという認識のもと治療靴に頼らない努力をしていた.治療靴の作製を促す介入として,靴は機能性が重要だという認識を医療者と患者で共有し,デザイン性を考慮した治療靴を開発する必要がある.