看護理工学会誌
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原著
ファイナンス理論を用いた高齢者の居宅見守りシステムにおける異変検出
森 武俊小路 和幸野口 博史亀山 祐美真田 弘美秋下 雅弘大江 和彦
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2016 年 3 巻 1 号 p. 21-30

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抄録
 一人暮らしの高齢者の活動レベルを人感センサでモニタリングする見守りシステムを対象に生活行動の異変検出手法を開発した.モデル化および検出アルゴリズム開発は,ファイナンスにおいて研究が進められてきた方法論にもとづいて行った.アプローチとして,まず,活動レベルのデータ特性を明らかにするため,144軒の独居高齢者居宅の収集データから,データのトレンドとボラティリティに着目した4つのタイプへ分類した.続いて,おのおののタイプの特性に適合したファイナンスモデルを適用し,これらモデルによって予測される確率分布の95%信頼区間からの外れ値を異変とするアルゴリズムを構成した.たとえば,トレンドが有り,ボラティリティが一定という特性を有するタイプの高齢者活動データには原資産価格モデルをあてる.人手による異変検知との比較検証を行い,さらに健康状態に関する対照データのある数名の活動レベルモニタリングデータに対して本手法を応用し異変検知の有効性を確認した.
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© 2016 看護理工学会
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