本研究は,装着型腰部補助装置(WLAD)の臨床応用の可能性を看護の視点で評価することを目的とする.WLADは,作業時の腰部負担を軽減するために開発され,当初,運送業などに紹介された.現在は,在宅ケアにおける入浴援助にも試用されているが,その適応の可能性について,臨床看護場面ではまだ紹介されていない.本研究では,リカートスケールを用いた評価表を看護の視点で作成し,ポータブルトイレ移動補助の場面により本装置を評価した.評価項目には,装着性,操作性,装着感,サポート性,安全性,総合評価の6カテゴリーを設けた.この調査には,10名のホスピス病棟看護師が参加した.結果,装着性,操作性についてネガティブな評価が多く,装着感,サポート性および安全性についてはポジティブな回答が多かった.総合評価では,評価者の80%が本装置は移動補助に役立つと答えた.本研究により,WLADのさらなる開発の可能性と病院看護場面における適応性が示唆された.