看護理工学会誌
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原著
向老期皮膚熱傷モデルに対する初期局所療法での洗浄剤選択に関する研究
柿原 奈保子
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2017 年 4 巻 2 号 p. 90-97

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抄録

表皮は,加齢に伴い水分含有量が減少し乾燥傾向になる.また,創傷に対しても修復機能が低下してくる.一方,実験動物での皮膚の加齢変化を伴った場合の創傷からの治癒過程に関する研究は少ない.本研究では向老期における熱傷受傷初期の治癒過程に着目して局所療法に用いる洗浄剤による違いを検討した.今回,①市販アルカリ石けん,②市販弱酸性洗浄剤,③コールドプロセス製法石けん(100%オリーブオイル)洗浄ケアにおける水分含有率を比較検討した.5回洗浄処置では,水分含有率は対象群4.77%,① 6.90%,② 5.79%,③ 7.34%であり,統計学的に有意に③が高値であった(p<0.05).③では,ほかのケアと比較して,炎症性壊死組織や痂皮形成が少なく,表皮再生や創部の良好な外観を保持する傾向がみられた.以上の結果から,コールドプロセス製法石けん洗浄が保湿力の維持や皮膚の創傷治癒に有効であり,向老期の乾燥皮膚の創傷治癒にも好影響を与えることが示唆された.

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© 2017 看護理工学会
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