抄録
高齢者が急性期リハビリテーション(以下リハビリと略す)を導入しても意欲が低下するとプログラムの進捗が滞る.励ましや言語的なフィードバックはリハビリ意欲を維持するうえで有効である.本研究では人型コミュニケーションロボット(Pepper) による励ましが,高齢者のリハビリに対する取り組みを支援できるか評価した.症例患者(67歳男性)はリハビリ意欲が低下し,経験が浅い看護師にくらべて経験豊かなベテラン看護師のケアを好んだ.始めに,看護師とともに日常生活動作に基づいた励ます会話を作成し,ロボットに会話を取り込んだ.会話はリハビリの進捗とともに更新され,患者はロボットに励まされることで経験が浅い看護師を拒否することもなくなり,毎日リハビリに通い続けた.ロボットは一方的に話しかけるだけで,人とは異なり患者の会話を評価しない.ロボットによる励ましは,患者のリハビリ意欲を向上させただけでなく,看護師との関係構築もサポートした.