抄録
逆流防止弁付き末梢静脈留置針の使用により,血液への恐れや留置の困難感が軽減するか,穿刺・留置の成功につながっているかを明らかにすることを目的とした.都内大学病院4部署を2群に分け,介入前後を比較した.穿刺時の主観的な経験,STAI(State-Trait Anxiety Inventory),留置成功までの穿刺回数,静脈留置針の操作性などを質問紙にて調査した.対照群26名(307件),介入群25名(292件)が分析対象となった.血液への恐れや焦りは導入前後で軽減したが,STAIの状態不安は導入前後ともに,群間に差はなく,穿刺回数の減少も差は認められなかった.カテーテルの操作性は,介入群で有意に評価が悪い項目があった.しかし血液曝露への恐れ,チューブ接続時の汚染への恐れは軽減していた.カテーテルの操作性の改善は求められたが,逆流防止弁付きカテーテルによって血液への恐れや焦りは軽減しており,感染防止の観点から,穿刺時の血液曝露の予防,接続する際の感染予防に効果がある可能性が示唆された.