2007 年 14 巻 1 号 p. 13-30
高レベル放射性廃棄物の地層処分場における閉鎖技術に関して, 国内外における閉鎖概念の考え方を整理した上で,その考え方に基づいた閉鎖性能の発揮において確認しなければならない課題として閉鎖要素自身の施工が可能であることと, 期待される性能が発揮できることと設定した. 本研究では, この課題を解決すべくAECLとの共同研究としてカナダの地下研究施設において実施したTSXの施工概要および連続計測で取得されたデータを示すとともに, 施工した粘土プラグの止水性能を確認するために実施した加圧注水試験結果とトレーサー試験およびその試験結果に基づく解析結果を示した. 今回の試験により, 現状技術を組み合わせることによって施工した粘土プラグは, 周辺部を含めて低透水性能を発揮できることを確認した. また, トレーサー試験の解析評価を行うことにより, 粘土プラグ周辺の物質移行特性を把握することができた.