原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
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研究論文
  • 北村 暁, 吉田 泰, 後藤 考裕, 澁谷 早苗
    2020 年 27 巻 2 号 p. 58-71
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

     高レベル放射性廃棄物および地層処分相当のTRU廃棄物の地層処分システムの性能を評価するためには,地下水や緩衝材間隙水中における放射性核種の溶解度評価が必要である.その溶解度評価のためには,溶解度を制限する固相(溶解度制限固相)を選定する必要がある.本報告では,透明性の高い選定過程が示せるように,熱力学データベースを用いて溶解度制限固相の候補となる固相の飽和指数を算出することで溶解度制限固相を判断する選定手法を構築した.本手法では,飽和指数が大きい固相ほど溶解度制限固相の候補になることを基本とするものの,当該固相の生成や溶解度制限が現実的であるかどうかについて,文献調査により判断することとした.併せて,わが国における最新の安全評価報告書で定義された緩衝材およびセメント間隙水組成に対し,種々の組成を類型化した上で性能評価対象元素の溶解度制限固相を選定した.

  • 山口 正秋, 加藤 智子, 鈴木 祐二, 牧野 仁史
    2020 年 27 巻 2 号 p. 72-82
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

     地層処分の性能評価における隆起・侵食の影響の検討では,地下水流動や処分場から地表への核種移行経路などへの影響の観点から,地形と処分場深度の変化が重要となる.本研究では,初期の地形や隆起速度等の条件や評価期間の想定に対して地形と処分場深度の変化を効率的に評価するためのツール(地形・処分場深度変遷解析ツール)を,簡易的な地形発達シミュレーションモデルを組み込んだArcGISのモデルとして構築した.このような評価は,性能評価における隆起・侵食に起因する地下水流動や地表への核種移行経路への影響の評価に向けて,条件や評価期間に応じた地形や深度の変化についての定量的情報を提示するとともに,性能評価の実施においてどの影響に重点をおくことが効果的・効率的かなどを判断するためにも重要となる.

  • 北村 暁, 赤堀 邦晃, 長田 正信
    2020 年 27 巻 2 号 p. 83-93
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

     使用済燃料の深地層中への直接的な処分(直接処分)とは,使用済燃料を再処理せず処分容器に封入して処分する概念である.使用済燃料からの放射性核種の放出挙動はガラス固化体を地層処分した場合とは大きく異なる.本論文では,直接処分における核種の放出挙動を評価するためのパラメータのひとつである瞬時放出率(IRF)について,諸外国の最新の安全評価報告書を基に,核分裂生成ガス放出率(FGR)と相関関係がある元素に対する値の設定手法を構築した.FGRについては,わが国の使用済燃料に対して取得されたデータを収集したうえで,軽水炉燃料解析コードFEMAXI-7を使用して推奨値と最大値を算出した.また,算出したFGRや諸外国で取得されたIRF実測値を用いて,わが国の加圧水型原子炉(PWR)の使用済燃料におけるIRFの推奨値と最大値を推定し,諸外国の最新の安全評価報告書の設定値と比較検討した.

総説
  • 青木 広臣, 井上 亮, 川﨑 智
    2020 年 27 巻 2 号 p. 94-103
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

     原子力規制委員会は,第二種廃棄物埋設の事業に関する規則で定める放射性廃棄物の技術上の基準のうち,放射性廃棄物を容器に封入又は固型化する方法等について,これまでは原子力規制委員会規則又は告示において仕様を定めてきたが,これを性能規定化することとした.改正した原子力規制委員会規則の技術上の基準により,規制機関による確認の体系が変わり,また埋設事業者は放射性廃棄物の受入れ基準(WAC)を定めなくてはならない.本稿では,これまでの放射性廃棄物の技術上の基準を性能・機能等に整理し,さらに,国際基準や他国の規制制度における「放射性廃棄物の受入れ基準」の位置付けや役割を参考に,我が国の規制制度に「放射性廃棄物の受入れ基準」を導入する際の考え方について考察する.

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